ドラゴンボール超 ブロリー のレビュー

ドラゴンボールはZから超までは観ました。少年編は観てないです。正直、復活のFがアレだったのと、超のアニメ自体に良い印象がなかった(老害)ですが、観ずにブロリーを語るのもなんですし、観に行ってみました。

 

良かったところ

やはり、戦闘シーンですね。個人的には超~ゴッドベジータVSブロリーと、スーパーゴジータゴジータブルーVS伝説の超サイヤ人ブロリーが良かったです。この二つに共通して、思い切って表現方法を切り替えているんですよね。氷を舞台にしながらも戦いが激しくなるにつれて、次第に地形がガラリと変わっていくところです。ベジータの方はゴッドへの変身演出・途中から3DCGを使い大自然をそのまま表現する手法で鳥肌が立ちましたし、ゴジータの方は宇宙空間とも呼べそうな場所に変貌していきます。この辺りは普通に面白かったところです。最新技術をうまく昇華させたといってもいいでしょう。

次に過剰な過去ネタに走らなかったところです。ブロリーはもう4回目の映画化であり、燃え尽きろ!で様々なシーンがネタにされており、公式・ファン共に高い人気を誇りますが、それだけに媚びるシーンがあるのではないかという危惧はどうしてもありました。そういったシーンは(自分の中では)見当たらず、良かったと思います。

最後に、島田敏さんの演技力です。今回のブロリーは破壊衝動というよりやり場のない悲しみ(?)といったものも含んでおり、今までとは性格が大きく違います。そういったキャラをうまく汲み取り、演じきったあの人は本当にすごいと思います。劣化するどころかむしろパワーアップしているようにも思えました。

 

悪かったところ

もうこれを言うと見も蓋もないんですけど、ギャグが悲しいくらいに寒い。悟空の「過酷ってなんだ?」は完全に余計だと思いますし、ブルマの若返るだけのためにドラゴンボールを集めるだの、フリーザが身長低いのを気にしている設定が突然出るところはキャラ崩壊にも映りました。総じて超のスタッフは、技術使うのは(初期を除いて)上手いんですけど、ドラゴンボール独特の世界観というかキャラの性格の表現には難があるなといった印象です。ブロリーとの戦闘は本当に面白く、ジャネンバを思わせるような絶望感を感じさせる中で、このようなシーンが要所にあるのが本当に緊張感を削いでいるようにも思えました。

 

総評

5点中でいえば3点くらいです。超の余計なノリがまだ少なかっただけ本編に集中しきれたのはまだよかったと思います。戦闘だけは本当に良かったのでそれを観るためだけに映画に行くのは全然ありだと思います。ただあのギャグやキャラ崩壊はどうなのかな…と今でも思います。